猪口男女共同参画担当大臣(当時)も迎えて30年の取り組みを振り返りつつ
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1975年に国連により国際婦人年が定められたことを契機に、女性の地位向上の問題にかかわってきたNGOが集い、国内・国際連携のもとで、その実現のために多様な活動を展開してきました。それが、「国際婦人年連絡会(International Women’s Year Liaison Group)です。日常から、男女平等の実現のため、政策提言やネットワーキング、情報発信などに積極的に取り組んでいます。
そして国際婦人年から30年目にあたる昨年11月26日に、全地婦連を含む41団体がともに、「2005年NGO日本女性大会」を開催しました。
ジェンダー平等と平和な社会をめざす
猪口邦子少子化・男女共同参画担当大臣も迎えて
大会は東京・九段下の千代田区公会堂で会場で、来賓として猪口邦子内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画担当)があいさつし、その後、第49回国連婦人の地位委員会議長を務めた韓国外務省国際団体局長の康京和(クン・ワ・カン)博士の「国際社会における女性たちの責務〜平和と平等社会に向けて」と題した記念講演です。
康博士は、「第4回世界女性会議行動綱領」が示す12の重大領域(*)をすべての利害関係者が完全かつ迅速に実施するよう、新たな政治的意思が必要である」と訴えました。さらに映像とコーラスで、30年の女性たちの歩みを振り返りました。
午後はフォーラム「男女共同参画社会を創る」で、樋口恵子氏(高齢社会をよくする女性の会代表)ら研究者3人を迎えて、少子高齢化、労働(家庭と仕事の両立・多様化)、経済(ジェンダー・予算)の視点から議論を深めました。
特に現在使われている自治体や政府の予算が、ジェンダーの視点からみて、社会にとって有効な使われ方をしているのか、チェックすることはとても重要であると思われました。
さらに、これまでも女性高齢者は貧しい人が多く(年金は男性の半分、年収100万円以下の人が6割以上など)、日本で今後も男女平等の社会システムも実現されず、少子高齢化が進行していけば、数十年先に出現 するのは、大量の「貧困なおばあさんたち」である、という樋口氏の鋭い指摘は、すべての女性たちが、男女平等の問題をわが身のこととして考える必要をリアルに感じました。
*「第4回世界女性会議行動綱領」
第3章 重大問題領域(1995年9月15日採択)
(1)女性と貧困
(2)女性の教育と訓練
(3)女性と健康
(4)女性に対する暴力
(5)女性と武力紛争
(6)女性と経済
(7)権力および意思決定における女性
(8)女性の地位向上のための制度的な仕組み
(9)女性の人権
(10)女性とメディア
(11)女性と環境(天然資源管理と環境保護における男女不平等)
(12)少女(の権利に対する持続的な差別、および侵害)