国際婦人年連絡会|私たちは黙らない 女性の権利を国際水準に!

CSWと国際婦人年連絡会

CSWとは

国連女性の地位委員会United Nations Commission on the Status of Women (CSW) は 1946 年 6 月に国連経済社会理事会 UN Economic and Social Council (ECOSOC) の機能委員会の一つとして「政治・社会・市民・社会・教育分野での男女平等の原則の実施」を目的に設置、女性の権利に関する緊急を要する問題に対し、ECOSOCに勧告を行う。1947 年 2 月最初の会合(NY 州サクセス湖)を開催。暫くはオーストリアのウィーンで隔年に開催されていたが、1988年より毎年NYでの開催となった。国連事務局組織の中では女性の地位課 Section on the Status of Women が、そして 1978 年に は 女 性 の 地 位 向 上 局 Division for the Advancement of Women が担当。設立当初からECOSOC の諮問資格が ある NGOs にオブザーバーとしての参加を呼びかけ、ジェンダー問題と女性の地位向上に取り組んできた。会議の成果は票決ではなく全員の合意で決める(合意結論)。

国際婦人年連絡会は1998年ECOSOCの特別諮問資格を得たころからCSWへの参加を始めた。

CSWと人権条約

加盟国に差別的な立法を変更し、女性問題についての認識を普及するための基準とルール作りを行った。1948 年 世 界 人 権 宣 言 Universal Declaration of Human Rights において、人類を意味する言葉として男性 man を使わず 、より包括的な人間 human being や人々people を導入。世界中の女性の政治的権利・法的地位に関するデータを収集して提出、以下の条約の基礎となった。

1951年「同一価 値 労 働 同 一 賃 金 に 関 す る 条 約 Convention concerning Equal Remuneration for Men and Women Workers for Work of Equal Value」:国際労働機構 International Labor Organization (ILO)と共同作成

1952年「女性の政治的権利に関する条約 Convention on the Political Rights of Women」

1957年「既婚女性の国籍に関する条約 Convention on the Nationality of Married Women」

1962年「婚姻に関する同意、 年 齢 、そ し て 、公 的 な 記 録 に 関 す る 条 約 Convention on Consent to Marriage 、Minimum Age for Marriage and Registration of Marriages」

1967年「女性に対する差別撤廃宣言 Declaration on the Elimination of Discrimination against Women 」:女性に対するあらゆる 形 態 の 差 別 の撤 廃 に関する条 約 Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women (CEDAW)の起草(1979 年)へとつながる

1999 年「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書Optional Protocol to the Convention」

CSWと国際婦人年

CSWは1975 年を「国際婦人年」とすることを経済社会理事会(ECOSOC)に勧告し、国連総会で採択された。第 1 回世界女性大会 First World Conference on Women をメキシコ 市で開催、1976 年から1985年までを 国連女性の10 年:平等、開発、平和 UN Decade of Women: Equality, Development and Peace とすることを国連総会で決議した。

1980年 第 2 回大会(コペンハーゲン)開催

1985年 第 3 回大会(ナイロビ)開催

1993 年「女 性 に対 す る暴 力 撤 廃 宣 言 Declaration on the Elimination of Violence against Women」が国連総会で採択された。

1995年 第 4 回大会(北京)では加盟各国が賛同して、北京宣言と行動綱領 Beijing Declaration and Platform for Actionを採択された。国連総会は CSWに対して、北京宣言と行動綱領の実現を監視しECOSOCに 助言する役割を与えた。

CSW は1996 年から複数年プログラムを組み、行動綱領の重要な分野に関する実施状況を検討し、最終的な合意文書において行動綱領の目標実現加速に有効な具体的内容を勧告することとなった。

CSWと国連ウィメン UN Women

2000 年に、国連総会は、ECOSOCを通したCSW の勧告に基づき京行動綱領実施評価と将来行動を検討する 『2000 年の女性たち:21 世紀のためのジェンダー平等、開発と平和』のための第 23 回特別総会 を 2000 年 6 月に開催。北京宣言と行動綱領実現のための政治宣言に合意した。

2011 年 国連は既存のジェンダー関連4 機関、女性の地位向上部Division for the Advancement of Women(DAW) 、国際婦人調査訓練研修所 International Research and Training Institute for the Advancement of Women (INSTRAW)、ジェンダー問題事務総長特別顧問室Office of the Special Adviser on Gender Issues and Advancement of Women (OSAGI)、 国連婦人開発基金 UN Development Fund for Women (UNIFEM)を統合し、「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関」として国連ウィメン UN Women を設置しCSW の事務局となった。CSW は 2030 年の持続可能な開発目標の実現 にも積極的に関与している。

国際婦人年連絡会とCSW

2009年の CSW53 から、JAWW(日本女性監視機構)、国連NGO国内女性委員会と国際婦人年連絡会の3NGOs は国連日本政府代表部の後援を得て、2013 年 CSW57 からは国連日本政府代表部と共催で、CSW開催期間中にサイド・イベント(国連構内で開催)を実施してきた。

CSW60(2016 年 3 月 18 日)「Our Challenges to Eliminating Gender Gaps in Economy  経済における男女格差解消への私たちの挑戦」

CSW61(2017 年 3 月 17 日)「The Keys to the Economic Empowerment of Women  女性の経済的エンパワーメントへの鍵」

CSW62(2018 年 3 月 13 日)「Achieving Gender Equality and the Empowerment of Women in Rural Areas: Challenges and Opportunity  農山村におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント」

CSW63(2019 年 3 月 14 日)「”A Room of One’s Own” in 2019: Obstacles to Being Independent Today  2019 年の『自分だけの部屋』:精神的経済的自立に対する今日の障壁」

CSW64(2020 年 3 月 12 日に予定)「Women ’ s Empowerment as Taxpayers: Breaking the Mold of Dependency and the Unconscious Bias in Gendered Society  女性、納税者になる ─ ジェンダー社会における依存と無意識の偏見の鋳型を壊そう!」はCOVID-19 の流行に鑑み、初日の 2020 年 3 月 9 日のみでCSW休会のため実施されず。

CSW65(2021 年 3 月 22 日)「We Need Women Leaders in Politics: Better Society, Strong Democracy  必要なのは女性の政治リーダー!~よりよい社会と強靭な民主主義に向けて」

また、CSW49 (2005年)から、日本政府代表団に加わるNGO女性を推薦してきた。2005年は連絡会から世話人1人のほか、4名が国連日本政府代表部に参加した。