国際婦人年連絡会|私たちは黙らない 女性の権利を国際水準に!

2019年度 第1回セミナー ご報告

遠藤智子さんは長年女性への暴力根絶の活動に関わり、東日本震災時に政府の公募で設立された、一般社団法人・社会的包摂サポートセンターの事務局長を務めています。同センターの電話相談「よりそいホットライン」に全国から寄せられる性暴力被害の実態と刑法の再改正に向けた考えを語られました。

「よりそいホットライン」には1日3万件、1年で1千万件を超える相談があるが、女性専門ラインへの相談の4,4人に一人、10代は半数近くがレイプや性虐待。「届け出ないだろう」「おとなしそう・抵抗されない」と思って性虐待を行う。その最大のターゲットは家族で、父親から娘への性暴力が急増。『日本の性犯罪は底が抜けた』との遠藤さんの言葉に衝撃を受けた。性虐待は語らないことが「普通」とされ、幼い時の被害で平均25年も悩んでいる。「刑法」の再改正に向け、Yes means Yes, No means No.の実現、親密な関係での性暴力を処罰できるかなど課題は多いが、被害の立証は「無罪を主張する加害者には同意があったことを証明させることで可能ではないか」と提案された。

報告者:渋谷絹子(ジェンダー平等をすすめる教育全国ネットワーク)